転校生もまた、たび重なる転校によって自分と同じように不安や恐怖を感じていたことを知ったソラくん。
転校生への信頼が増していく中、またもやコアがストップをかけてきます。
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話せない!ソラくんのせかい優しい転校生と怖がりコア
場面緘黙症でも友達と遊べるのは嬉しい
私の場合ですが、場面緘黙症で話すことができなくても、自分が友達だと思っている子とならなにをしていても楽しいし、この時間がずっと続けばいいのにな〜と思っていました。
ここは普通の子となんら変わりありません。
ただ、友達のほうは年齢を重ねるにつれて不満を吐き出すようになっていきました。
その子はお手紙交換をして仲良くなった子なのですが、中学に上がってからも私は相変わらず話せなくて、言いたいことは全て紙面でのやり取り。
その子に対して「親友だ」と言っておきながら、どうしても声を出すことができませんでした。
そのくせ、大して仲良しでもないクラスメートとは「親が友達同士」というだけで普通に会話していたりしたので(と言っても学校に行くと話せない)、その子の不満はつのる一方でした。
いよいよ友達の我慢が限界に達し、私たちは手紙上で初めてのケンカ。
こんなに言いたいことを言い合える仲なのに、どうして私は喋ることができないんだろう?
手紙の文面をただ口から発せばいいだけじゃない?
なんでなんだろう。
いったいなにを恐れているんだろ?
なんなんだ、なんなんだ、なんなんだよー!
この時は、たった1人の友人を失うかもしれないという恐怖よりも、話す恐怖のほうが強かったです。
最終的には、この時のケンカがきっかけになって私は話せるようになったのですが、恐怖を乗り越えたとかそういうのではなく、冷静さを欠いた興奮状態でなんとなく喋ってしまっていたという感じ。
その後は、もう喋ってしまった手前元の状態に戻すことはできなくなり、ポツポツと喋っているうちにその子とは普通に会話するようになっていました。
私が8年間も恐れていたものっていったいなんだったんだろう…ってくらい、私が喋ることは当然のように受け入れられました。
優しく聡明な転校生。
ソラくんは彼と話せるようになるのか?
それとも、「親友だよ」と手紙で言っておきながら全く喋れなかった私のように、勇気が出せずに傷つけてしまうのか…。
さて、どんな展開にしていこうかな。