転校生との手紙交換も途絶え、心を閉ざしてしまったソラくん。
戸惑う転校生を見て「ボクの苦しみを少しでも理解してくれただろうか」と独りよがりな思考に陥っています。
二人の関係はこれからどうなっていくのでしょうか?
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気にかけてくれる友達ポンちゃん
本当の友達ってなんだ
私が通っていた小学校は田舎の小さな学校で、一学年一クラスしかありませんでした。
6年間でクラス替えが一度もないのが場面緘黙の子供にとっていいことなのかどうなのか分かりませんが、環境の変化に敏感だった私にとっては、6年間同じメンバーだったことは良かったことの一つです。
もちろん、嫌な思いも辛い思いもたくさんしました。
あんなヤツいなくなればいいのに!と思ったことも数知れずです。
しかし、なんだかんだ言っても、大変な学校生活を共に乗り越えた同士なんですよね。
何が大変な学校生活なのかと申しますと…
今じゃちょっとしたニュースになるような教師の体罰や怒号が当たり前、私に至っては2年間にわたって人格否定につながるようないびつな指導も受けました。(緘黙とはまた別の問題で)
あんな空間で子供の自己肯定感なんて果たして育つのかしら?!
と言いたくなるような結構ひどい環境でしたが、今から30年前の田舎なんて、きっとどこでも同じような感じだったんじゃないかと思います。
そして、スポーツへの力の入れ具合が半端ない笑。
部活動に、夏休みのプール練習。
軍隊か!ってレベルの練習量なので、運動音痴の私ですらそれなりにスポーツができるようになってしまうというね。
今じゃ考えられない。
そんな苦労を共にしてきたクラスメートとも、中学に上がるとクラスがバラバラになりました。
性格が合わなかったり、意地悪されて嫌いになったりと、どう頑張っても相入れないクラスメートもいたのですが、なぜか離れ離れになった瞬間、「頑張ってるかな?」「お、笑ってる」「ああ、あの子と友達になったんだ」と遠目で気にかけている自分がいるんですよね。
そして、それは私だけに限らず、みんなが同じ「一体感」のようなものを持っていたような気がするんです。
もちろん、声に出したりはしないので「無意識」の世界での話です。
そしてその無意識の一体感は、大人になった今でもなんとなく繋がっているような感じがして、フッと気にかけた時に地元の親経由で「今こういう仕事しているみたいだ」という情報が入ってきたり。
だから、四六時中一緒にいるのが友達、SNSで繋がっているのが友達、たまに一緒に遊びに出かけるのが友達という、目にみえる形だけじゃなく、意識の奥深く、感知できない層でなんとなくそれぞれが繋がっているような関係も「友達」と言っていいんじゃないかと思うんです。
本当の友達はいつだって人知れず気にかけてくれている
ソラくんと転校生の仲を気にかけて声をかけてくれたポンちゃん。
このエピソードは私の実体験をもとにしています。
中学生のとき、クラスに超仲良し女子二人組がいたのですが、本当に四六時中一緒にいて、見ていて羨ましくなるくらいでした。
そんな二人があるとき喧嘩をして、離れてしまいました。
すると、なんとなくクラスの雰囲気が違って感じられたんです。
落ち着かないというか、穏やかじゃないというか…。
二人が仲良しなのは当たり前のことだったので、休み時間にお互いが別々のグループに混ざって居心地悪そうに笑っていたりすると、それだけでも痛々しく感じられました。
見かねて仲直りを勧めるクラスメートもいましたが、結局二人は元には戻りませんでした。
この時に感じたこと。
みんな個人個人で生きているようで、決してそんなことはない!
人間の脳は変化を嫌うと言うけれど、それは自分のことだけに限らず、環境に対してもなんですよね。
私はたいして仲が良かったわけではありませんが、中学校3年間、この二人のことをずっと気にかけていました。
全く関係ないけれど、仲直りしてほしい気持ちでいっぱいでした。
全く関係ないけれど。
私のように全く関係ないのに「仲直りして〜!」と思っていたクラスメートは多いんじゃないかと思います。
たった二人の負の感情がクラスに影響を及ぼすというのだから、あの二人、本当に強固に繋がっていたんだろうな笑
ということで、ソラくんと転校生に元の仲良しに戻ってほしいと願うポンちゃん。
その思いは伝わるのか?!
次回でお待ちしております♡
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